入院してしまった祖父への手紙

私は普段手紙など滅多に書かないのですが、今から五年ほど前に祖父に初めて手紙を書いたことがありました。手紙を書いた理由は当時、祖父が体調を崩し倒れてしまったからで、一ケ月ほどの入院生活中に少しでも元気づけることができればと手紙を書いたという訳です。

ただそれまで祖父には手紙どころか面と向かって真面目な話をしたこともなければ感謝を伝えたことさえありません。ですから手紙を書こうと決めたは良いものの、何を書けばいいのか分からず、結局は早く体調が良くなって退院できることを願う文章と、私の日常を報告することくらいになってしまいました。

ですが書いている時には幼い頃から可愛がってもらった祖父との思い出がよみがえり、心から元気になってほしい、早く退院してまた一緒にご飯を食べに行ったりドライブに行ったりしたいと思っていたので、手紙の内容はともかくとして我ながら気持ちだけは込めたつもりです。

それに祖父は入院するまですごく元気で、仕事もまだ現役でしたし、休日のたびに趣味の釣りに出かけたりとするくらいだったので、私自身、祖父が倒れたと聞いた時には本当に驚いたものです。そして入院となってからも何度もお見舞いに行き、どこか元気のない祖父の姿を見て、胸が痛んだのも事実です。

こうした背景があったため、手紙を書いている時にはいろいろと考えさせられましたし、あらためて祖父ももうそんな年齢だったんだなと実感したわけです。

そして入院中の祖父に手紙を渡し、とても喜んでもらうこともでき、おまけにその後しばらくして無事退院することもできたのです。

そんな祖父は今ではすっかり元気で、私が送った手紙を大事に取っておいて、私が祖父の家へ遊びに行った時にはいつもその手紙を見せてくれるのでした。

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